“Голос России” о выставке “Дело русских семинаристов” (яп.язык)

モスクワでは「ロシア人宣教師たちに関する事件」と題された展覧会が開幕しました。

これは20世紀初頭東京にあった正教神学校で学んだ生徒たちの生涯を紹介するものです。展覧会の主催者でキュレーターを務めるのは、ジャーナリストで東洋学者で異文化間コミュニケーションの専門家であるアレクサンドル・クラノフさんです。
今回の展覧会の主要部分となっている多くの写真や珍しい教科書、資料、書簡、記録音声、映像、卒業生たちの個人の品といったものは、クラノフさんによって集められたものです。クラノフさんは、展覧会の開催に当たり、当時、ニコライ・イポンスキー大主教の神学校で自らの歩む道をスタートさせた少年たちの子孫を見つけだすことができました。
 すべては数年前に始まりました。クラノフさんは、ロシアの格闘技サンボの歴史を研究していたときに、ロシア人柔道選手の第一人者であるワシリー・オシェプコフの名を発見しました。そのときクラノフさんは、重要な役割を果たしたその他の神学生たちの人生についてまったく研究されていないことに気がついたのです。ニコライ大主教の指導下にあった東京神学校に何人の生徒がいて、どのような顔ぶれだったのかすら、今なお、謎のままとなっています。これについてアレクサンドル・クラノフさんは、知られている資料のどこにも、これについての情報が含まれていないと指摘しています。20世紀初頭の極東における重要な出来事の目撃者となったばかりでなく、その中に生きていた生徒たちの生活、人生というのは、これから研究、調査していくべき大きなテーマです。この問題の研究者で、今回の展覧会の主催者であるアレクサンドル・クラノフさんにお話を伺いました。
 「残念ながら、まだすべては明らかにされていません。時間も足りていませんし、これらの学生のほとんどがサハリン、沿海地方、ハルビンなど、極東の出身だったことから、記録資料もあちこちに散らばっているということもあります。つまりそれらはハバロフスクからサハリンの間の複数の地区の資料保管所に分割されているということです。しかも資料の中には日本に残されているものもあります。その中には公安局の管轄になっているものもあり、なかなか調べきれなかったというのが現実です。一方、プレシャコフとオシェプコフについての資料を秘密警察から入手するのは非常に簡単でした。展覧会では、オシェプコフ、プレシャコフ、ユルケヴィッチ、ニズナイコといった生徒たちについての資料が中心に展示されています。ニズナイコについては、彼自身が存命で、自らの子供や孫たちに多くのことを語りついでいたため、多くの証言が残っています。そのほか、ジュラヴリョフとザソノフという2人の生徒についての資料もあります。その他の生徒さんたちについてはこれからまだ調べていく必要があります」。
 東京神学校の卒業生の中でもっとも有名な人物がワシリー・オシェプコフです。講道館を修了した唯一の生徒で、彼はこの柔道というスポーツをロシア人のために改良しました。オシェプコフは1920年代に日本で活躍したもっとも素晴らしいロシアのスパイのひとりだったものの、ロシア国内ではいまだ正当に評価されていない人物のひとりです。1937年にオシェプコフは逮捕され、ブトゥルスカヤに収監中、心臓発作のため死亡しました。オシェプコフは1957年に名誉回復を果たします。展覧会では彼の家族や生徒たちが保管していた個人の品々が紹介されています。
 驚くべきことに、かつての神学生の中で、その後も正教の世界に生きた人はそれほど多くありませんでした。ある者は日本学者になり、ある者はビジネスをはじめ、ある者は通訳となりました。また多くの生徒が第一次世界大戦、あるいは内戦で命を落としました。またまったく消息がとれなくなった人々もいます。神学校は自らのミッションを果たすことができたのでしょうか。アレクサンドル・クラノフさんは次のように述べています。
 「この歴史について学ぶうち、日本のニコライ(日本の亜使徒大主教聖ニコライ)と神学校は別々の存在だったというような印象があります。ニコライはできる限り、自分の理想を具現化しようとし、日本での宣教のために神父を育てました。しかし神学校は彼とは別のところで存在し、独自のルールに従って存続していました。しかしいずれにしても、わたしの目から見て、神学校は自らの課題を遂行はできなかったと思います。もちろん、わたしの考えは間違っているかもしれません」。
 主催者たちは、夏には日本でもこの展覧会を行う予定です。展覧会は歴史に関心のあるロシア人だけでなく、日本の人々にとっても興味深いものとなることでしょう。成功をお祈りしたいと思います。
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